世界企業 2010 3 7
書名 Googleの正体
著者 牧野 武文 毎日コミュニケーションズ
今から数十年後、世界は、どうなっているでしょうか。
ひとつの可能性として、政府の規模を超える巨大企業が多数出現し、
それが、世界政府の土台となるかもしれません。
巨大企業が出現する理由は、経済に国境がなくなったからです。
国境という制約がある政府、 そういう制約がない企業。
どちらが成長しますか。
これは、たとえ「大きな政府」を推進しても、
やはり、規模において、政府は小さくなる運命でしょう。
政府というものは、活動範囲が国境の中に限定されるのが、デメリットです。
現在でも、中小の国と比較すれば、
経済規模において、巨大企業の方が大きいのです。
今のところ、そういう巨大企業が、
中小の国に対してアドバイスというレベルで済んでいますが、
将来的には、巨大企業が、実質的に「国を買う」という事態も想定されるでしょう。
さて、Googleが、世界政府を構成する可能性はあるか。
その可能性はあるでしょう。
情報という分野で、世界規模でインフラを提供するでしょう。
すでに、Googleには、政府的な要素があります。
市民に対して、何でも、無料で情報サービスを提供しています。
検索サービス、Gmail、グーグルマップ。
今後は、OS(基本ソフト)も無料で提供していくのでしょう。
もしかすると、Googleは、政府以上に政府らしいかもしれません。
政府は、市民に対して、税金という利用料金を徴収しています。
金儲けだけに専念する企業は、あるいは金儲けに固執する企業は、
やがて時代遅れになっていくかもしれません。
ある程度、金儲けはするが、公共サービスも提供していく企業が、
「21世紀型企業」となるでしょう。
それが、世界市民に支持され、世界企業となっていくでしょう。
もしかすると、市民に対して無料で公共サービスを提供したいから、
ある程度、金儲けをするという企業も出現するかもしれません。
21世紀において、企業のあり方が劇的に変わると思います。
ひたすら金儲けに専念し公共サービスに興味がない企業は、
やがて、世界市民から「不道徳企業」と言われるようになるでしょう。
未来において、拝金主義は嫌われることになるでしょう。
今でも、「金の亡者」という言葉ありますが、
将来は、もっと厳しく非難されるようになるでしょう。
エリア Elijah 2004 3
2
古代イスラエル王国では、
エリアは、何を警告していたのでしょうか。
それは、現代風に言えば、拝金主義や御利益信仰を警告していたのです。
多くの人が、創造主から離れていき、
「バアル信仰」(バール信仰)に流れていったのです。
少し、心配をしているのです。
現代のアメリカが、古代イスラエル王国の末期と似ていないか。
資本主義から、キリスト教精神が抜け落ちると、どうなるか。
それは、お金の「収奪システム」となります。
キリスト教精神のない資本主義は、お金の「収奪システム」に過ぎないのです。